口腔外科
口腔外科
歯科口腔外科とは、口の中の外科的な治療を行います。
代表的な治療は、顎骨の中に埋まっている親知らずの抜歯や口の中にできる「できもの」の切除などもいたします。
というイメージを持たれると思いますが、実際に口腔外科分野は、そういう治療ばかりではありません。
親知らずの手術以外にも、親知らずの痛みや、アゴがカクカクと音がするなどの症状がある方はぜひご相談ください。
時間はかかると思われますが、ご一緒に治療を進めて行きましょう。
歯科特有の鎮静法の一種で笑気ガスを30%程度の低濃度(残り70%は、酸素)で、鼻マスクで吸引し鎮静を得る麻酔法です。
この鎮静法は、適応症を見極めれば、手技の簡便さや、患者さんへの負担の少なさ、導入、覚醒の早さゆえに臨床で役に立つ鎮静法です。
笑気でゆるい鎮静を得られる以上に、高濃度の酸素を吸入しながら、治療ができることは循環器の発作の発生の頻度を著しく落とします。というのも、歯科の局所麻酔は、リドカインという麻酔薬に、作用時間を延長するため1/8万のエピネフリン(アドレナリン)が入っているため、局所麻酔時において、末梢血管の収縮、心機能の負荷が亢進します。そのため、より多くの酸素を体が必要とします。そこに、高濃度の酸素吸入を行えることは、患者さんの負担を格段に減らします。また、不安や恐怖によっても、同じ環境に置かれる為、麻酔をしないときにも有効だと思います。
笑気鎮静法は、鎮静剤の内服や注射に比べ次のような長所、短所があります。
智歯(親知らず)は、現代人では萌出するスペースがなく、埋まったままで出てこなかったり、出てきても少しだけで完全に出てこなかったりします。
そのため、智歯周囲に炎症が起こりやすくなります。
このように、下顎埋伏智歯(下顎に埋まったままの親知らず)は、重症感染を誘引するほか、顎の骨の骨折を誘因したり、歯原性のう胞(歯が原因でできる袋状の病変)や歯牙種(歯が原因でできる腫瘍の一種)の原因になったりします。
また、顎関節症や、智歯の1つ前の歯が虫歯や歯周疾患に、なりやすくなったりします。
顎が開けにくい、痛みがある、カクカク鳴るなどの症状がある場合、これらを総称して顎関節症と呼びます。
これはいったいどのようにして起こるのでしょうか?
これには、まず顎関節と呼ばれる上顎と下顎の間にある関節の仕組みについて知る必要があります。上顎の歯列と下顎の歯列は左右の耳の穴の少し下前方の部分で関節を介してつながっています。
この顎の関節(顎関節)には関節円板といういわばクッションのような組織が存在し、上下の顎の骨が直接こすれないような仕組みになっています。
口を開けるという動作には、上顎のくぼみに沿って丸い形をした下顎の骨(関節頭)が、このクッションを間に挟んだ形でスムーズに動くことが必要です。
顎が痛く口が開けにくい、口を開けるときにカクッと音がするといった症状の原因には、この関節円板というクッションの障害をはじめ、さまざまな原因が複雑に関係している場合が考えられます。
その主な原因は下記のようになります。
上記にあげた原因のうちどれが主に影響しているか、また、それぞれの原因がどのような形でかかわりあっているかを見つけるには視診、触診、問診、顎関節の聴診やレントゲン写真検査などが必要です。
その診察結果をもとに、噛み合わせや関節円板の位置を調整する為の多種多様な方法から、患者さんにベストな治療法で治療させていただきます。
すべて保険診療の対象です。しかし、一般の歯医者でできる腫瘍の手術には限界があります。
また、良性か悪性かの見極めも重要です。歯医者では、基本的には良性で安全な腫瘍の摘出を行いますが、判断を誤って悪性腫瘍(癌など)を摘出してしまい、取り残しがあれば転移のリスクを上げることにもなってしまいます。
そこで当院では、良性と診断できたものだけをレーザーを用いて摘出しています。
線維腫・乳頭腫・エプーリス・粘液腫などは、明らかに良性と診断できるので、これらについては当院で摘出手術を行っています。
レーザーを利用すれば出血も痛みもほとんどありませんし、術後の治癒も良好です。
悪性の疑いがあるもの、および診断した病名が前癌病変に属する場合は、大学病院を紹介しています。神戸市中央区にあります中央市民病院または神戸大学附属病院の口腔外科と連携しています。
咬合した時に、歯にかかる力が、その歯が持っている負担能力を超えて強くかかる時、歯はダメージを受けます。
これを、外傷性咬合といいます。ちょうど、突き指のような感じです。外傷性咬合によるダメージを受けると、咬むと痛いという症状が起こります。
原因は、歯の負担能力を超えた咬合力ですので、咬合時に歯が受ける力を小さくすれば治癒します。具体的には、咬合しているところを僅かに削って、歯が受ける力の量を調整します。これを、咬合調整といいます。