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こんにちは
今回は子供の歯ぎしりについてお話しします。よく患者さんから子供の歯ぎしりを心配されてる方が多いです。
日本で実施された調査において、子どもでは10~20数パーセントが睡眠中に歯ぎしりをすることが明らかとなっています。未就学児から就学児にかけて発生率が増加し、小学校は学年で20%を超えてピークを示し、それ以降は成長とともに減少します。別の調査では、歯ぎしりの発生率は、成人では5~10%、60歳以上になると5%を下回る程度に減少します。このような、成長・加齢とともに発生率が減少する傾向は、海外の多くの研究論文でも一致するところです。子どもの歯ぎしりが未就学時期を過ぎれば成長・加齢にともなって減少する可能性を考慮すると、歯ぎしりへの対応は経過観察にとどめることで基本的に問題はないと考えられます。
子供の歯ぎしりの原因は、今のところ明らかになっていません。歯ぎしりをする子どもと、そうでない子どもをくらべると、遺伝的要因、睡眠の質の低下やいびきをかく頻度が高いこと、ストレスや不安・緊張を感じることが多く、さらには夜更かしやメディア・ゲームへの長時間の景響といった生活習慣に違いがあることがわかってきています。
子どもの歯ぎしりには、さまざまな原因が背景にある複数のタイプがあるのかもしれません。ですから、ストレスや不安の軽減、生活習慣の是正は、そのような要素をもつ子どもの歯ぎしりを軽減することにつながる可能性があります。大きな歯のすり減り、顎や歯の疼痛症状がなければ、定期的な検診で経過観察することになります。